パルワールド専用サーバーの立て方:構築からワールド設定まで
パルワールドの専用サーバーをゼロから構築する手順です。マシンの選び方、SteamCMD の導入、開けるポート、PalWorldSettings.ini で最初に変えるべき項目、セーブのバックアップとアップデートまで。ホスティングに任せた場合との違いも整理します。
同じメンバーで長く『パルワールド』を遊ぶなら、専用サーバーが前提になります。誰かがゲームを起動し続ける必要はなく、ワールドは 24 時間動き続け、拠点とパルは全員がログアウトしていても稼働します。この記事では、マシンの選定からサーバーの導入、ポート開放、最初に変えるべき設定、セーブの守り方までを一通り扱い、最後に「自分で運用する」場合と「任せる」場合のコストを比べます。
まずマルチプレイの方式を選ぶ
『パルワールド』のマルチプレイには 3 つの経路があり、それぞれゲーム内の入口が別で、できることも違います。つまずく方の多くは招待コードの経路を選んでしまい、ホストが落ちるとワールドも止まることに後から気づきます。
| 方式 | ワールドを動かすのは | ホストが終了すると | 上限人数 | 向いている遊び方 |
|---|---|---|---|---|
| 招待コード / フレンドのワールドに参加 | ホストのクライアント | ワールドが停止 | 4 人 | 一晩だけ一緒に遊ぶ |
| 同じ PC でホスト | ホストの PC | ワールドが停止 | 32 人 | ほぼソロ向け |
| 専用サーバー | 独立したマシン | ワールドは動き続ける | 32 人 | 固定メンバーで長く遊ぶ |
専用サーバーの入口はタイトル画面の マルチプレイに参加する(専用サーバー) です。括弧の中が重要で、招待コードの経路からは専用サーバーには接続できません。クライアントの入力欄は1 つだけなので、203.0.113.10:8211 のようにアドレスとポートを続けて入力します。
必要なマシンのスペック
パルワールドのサーバーは CPU よりメモリを要求します。ワールドが重くなる原因は同時接続人数ではなく、ワールドに溜まった拠点とパルの数です。3 週目から重くなった、という場合はほぼこれに当たります。
| 同時接続 | CPU | メモリ | ディスク |
|---|---|---|---|
| 2〜4 人 | 2 コア | 8 GB | 30 GB |
| 4〜8 人 | 4 コア | 16 GB | 40 GB |
| 8〜16 人 | 4〜8 コア | 24 GB 以上 | 60 GB |
目安として次の点を押さえてください。
- メモリは人数ではなくワールドの規模で見積もります。 同じ 4 人でも、1 か月遊んだワールドは新規のワールドより数 GB 多く消費します。
- ディスクはセーブの増加とバックアップの分を空けておきます。 セーブ自体は小さくても、履歴を何世代か残したくなります。
- コア数よりシングルコア性能です。 サーバーのメインループはコア数を使い切らないため、クロックの高いマシンのほうが体感が良くなります。
- OS は Ubuntu 22.04 でも Debian 12 でも構いません。以下は Linux での手順です。Windows でも手順は同じで、設定ファイルのパスが
WindowsServerに変わります。
自分で構築する:SteamCMD から初回接続まで
SteamCMD と依存パッケージの導入
サーバーは 32 bit ライブラリを必要とするため、Debian 系ではまず i386 アーキテクチャを有効にします。
sudo dpkg --add-architecture i386
sudo apt update
sudo apt install -y steamcmd lib32gcc-s1 xdg-user-dirs
root ではなく、専用の一般ユーザーで動かすことをおすすめします。
sudo useradd -m -s /bin/bash palserver
sudo -iu palserver
サーバー本体のダウンロード
専用サーバーの App ID は 2394010 です。ゲーム本体(1623730)とは別物なので注意してください。
steamcmd +force_install_dir ~/palworld \
+login anonymous \
+app_update 2394010 validate \
+quit
匿名ログインで問題ありません。サーバー側で Steam アカウントは不要で、手持ちのゲームのライセンスも消費しません。ただし接続する側は全員、自分の Steam でパルワールドを所有している必要があります。
一度起動して設定ファイルを生成する
cd ~/palworld
./PalServer.sh
ログに Setting breakpad minidump AppID が出てから十数秒待ち、Ctrl+C で止めます。この初回起動の目的は、既定の設定ファイルを展開させることだけです。
ワールド設定を編集する
実際に反映されるのはこのファイルです。
~/palworld/Pal/Saved/Config/LinuxServer/PalWorldSettings.ini
初回起動で生成されるものは中身が空なので、既定値をコピーしてから編集します。
cp ~/palworld/DefaultPalWorldSettings.ini \
~/palworld/Pal/Saved/Config/LinuxServer/PalWorldSettings.ini
この形式には落とし穴があります。すべての項目が OptionSettings=(...) の括弧内、1 行にカンマ区切りで並びます。改行は入れられず、文字列の値はダブルクォートで囲みます。編集前に必ず控えを取ってください。
必ず設定する項目は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
ServerName | 一覧に表示されるサーバー名 |
ServerPassword | サーバーパスワード。空のままだと誰でも入れます |
AdminPassword | 管理用パスワード。必ず設定してください。未設定だと管理操作が誰にでも通ります |
ServerPlayerMaxNum | 人数上限。マシンが支えられる範囲に収めます |
PublicPort | 公開ポート。既定は 8211 |
RESTAPIEnabled | 管理用 API を有効にするか。既定は無効 |
最初に調整しておくと快適な項目です。
| 項目 | 既定値 | 調整の目安 |
|---|---|---|
DeathPenalty | 全ロスト | 固定メンバーなら所持品のみに。1 回の事故で 1 人抜けかねません |
ExpRate | 1.0 | 週 2 晩程度のペースなら 1.5〜2.0 が合います |
PalCaptureRate | 1.0 | 図鑑を早く埋めたい場合は上げます |
DropItemMaxNum | 3000 | ドロップ上限を下げるとワールドの負荷が軽くなります |
AutoSaveSpan | 30 分 | 10〜15 分に縮めると、事故のときの巻き戻りが小さくなります |
bIsMultiplay | False | 専用サーバーでは False のまま。これは同一 PC でホストする場合の項目です |
保存してサーバーを起動し直せば反映されます。
ポートを開ける
ここを飛ばすと「サーバーのログは正常なのに誰も接続できない」という状態になります。最も多いつまずきどころです。
| ポート | プロトコル | 用途 | 必須 |
|---|---|---|---|
| 8211 | UDP | ゲーム通信 | 必須 |
| 27015 | UDP | Steam クエリ(サーバー一覧) | 任意 |
| 8212 | TCP | 公式 REST 管理 API | 任意 |
間違いの大半は次の 2 つです。
- 8211 は UDP であって TCP ではありません。 TCP だけ開けるとポートスキャンでは「開いている」と表示されるのに、ゲームからは接続できません。
- クラウド上のマシンでは、事業者のセキュリティグループと OS のファイアウォール(
ufw/firewalld)の両方を開ける必要があります。
管理 API についてもう 1 点。公式は REST API をインターネットに直接公開しないよう明確に警告しています。 利用する場合はプライベートアドレスにバインドするか、ファイアウォールで接続元を限定してください。またパルワールドの RCON は公式に非推奨とされ、将来的に動作しなくなることが告知済みです。RCON の設定を勧める古い解説は読み飛ばして構いません。
自動起動にする
手動で起動したサーバーは端末を閉じると止まります。systemd のユニットを用意します。
[Unit]
Description=Palworld Dedicated Server
After=network-online.target
[Service]
Type=simple
User=palserver
WorkingDirectory=/home/palserver/palworld
ExecStart=/home/palserver/palworld/PalServer.sh
Restart=on-failure
RestartSec=10
[Install]
WantedBy=multi-user.target
/etc/systemd/system/palworld.service として保存し、次を実行します。
sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl enable --now palworld
sudo journalctl -u palworld -f
セーブデータの場所とバックアップ
セーブのパスは次のとおりです。
~/palworld/Pal/Saved/SaveGames/0/<WorldID>/
<WorldID> は 16 進数のディレクトリ名で、ワールドごとに 1 つ作られます。バックアップはこのディレクトリを丸ごとコピーするだけです。
稼働中のセーブをそのままコピーしないでください。 書き込み途中のファイルを取得してしまうことがあり、それが分かるのは復元しようとした日です。正しい順序は、先にサーバー側で書き出させる(停止するか、管理 API で強制セーブを実行する)、それからコピーする、です。
実際に機能するバックアップの形はこうなります。
- 1 日 1 回、7 世代を保持する
- アップデートの前に手動でもう 1 世代
- サーバーと同じディスクには置かない
セーブの喪失は、この種のサーバーで唯一取り返しがつかない障害です。日付の入ったディレクトリ名と、戻せる履歴。どんなチューニングよりも価値があります。
アップデート後に誰も入れなくなった
クライアントは自動で更新されますが、サーバーは更新されません。公式がパッチを配信した瞬間、全員が接続画面で止まります。サーバーのバージョンが古いことが「突然全員入れなくなる」原因の第 1 位です。
手順は次のとおりです。
sudo systemctl stop palworld
# 先にセーブをバックアップしてから更新します
sudo -iu palserver steamcmd +force_install_dir ~/palworld \
+login anonymous +app_update 2394010 validate +quit
sudo systemctl start palworld
バックアップが先、更新が後です。順序を逆にしないでください。
よくある質問
サーバー一覧に出てこないが、アドレス直打ちなら入れる。 よくある状態です。コミュニティサーバーの一覧はもともと不安定なので、アドレスを共有して直接接続してもらえば問題ありません。
数人入るとカクつく。 まずメモリが埋まっていないかを確認し、次にワールドの拠点数を見てください。抜けたメンバーが残した拠点を片付けると、フレームレートははっきり戻ることが多いです。
設定を変えたのに反映されない。 ほとんどの場合、編集したファイルが違います(Pal/Saved/Config/ の下ではなく DefaultPalWorldSettings.ini を編集している)。あるいはエディタが長い OptionSettings=(...) の行を折り返しています。
キック / BAN をしたい。 管理 API を有効にし AdminPassword を設定したうえで、対象は表示名ではなく userId を指定します。名前は変更できるためです。
自分で運用するか、任せるか
自分で構築する場合のコストは初日ではなく、その後の毎週にかかります。
| 自分で運用 | ホスティング | |
|---|---|---|
| 最初に立ち上げるまで | 30 分〜2 時間 | 数分 |
| 公式アップデート | 手動で停止・更新・再起動 | こちらで対応 |
| 毎日のバックアップ | 自分でスクリプトを書き、復元も自分で検証 | 自動、復元も可能 |
| 深夜に落ちた | 自分で起きて対応 | 自動再起動と通知 |
| ワールド設定の変更 | ini を編集して再起動 | Web のフォーム。変更後は自動で再起動 |
| メモリ増設 / マシン変更 | 入れ直し | 管理画面から操作 |
判断の基準はひとつです。毎週 2 時間をこれに使う気があるかどうか。 あるなら自分で構築する道は十分に現実的で、上の手順で足ります。ないなら、その 2 時間こそがホスティングサービスの中身です。
KeepWorlds が引き受けるのは右側の列です。ゲームとプランを選んでお申し込みいただくと、専有マシン上にサーバーが立ち上がります。他の利用者と共有しません。バックアップ、アップデート、利用期間のお知らせはこちらで対応いたします。起動後はコンソールのマイサーバーから接続アドレス、接続人数、稼働状況をご確認いただけます。アドレスはワンクリックでコピーでき、ページ上の手順に沿って接続してください。
実際に使ってみて合わなかった場合は返金ポリシーに沿ってご対応します。その他のご質問は、各ページのサポート窓口からお問い合わせください。
他の言語で読む
自分で運用しない方法もあります
ゲームとプランを選ぶだけで、専有マシン上にサーバーが立ち上がります。バックアップ、アップデート、期限のお知らせはこちらで対応いたします。
対応ゲームを見る